自動二輪教習とハートマン


まあ大体の方は車の免許を取るのに教習所へ行くわけでして

バイクを乗りたければ当然免許証がいる。

あたくしも二輪乗りたくて教習所へ高い金払って行ったわけです。

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こんなね、こんなことやってました。

二輪教習は中型と大型がありまして

うちはCB400とCB750が教習車。


俺は好きだったんですが、

教習所の教官の中に

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ハートマン軍曹みたいなのがいまして

「ドアホォォォ!!」

「オドレそれで道路走る気かボケエエ!!!」

「周りが迷惑すらあ!帰れ!ボケエ!」

「帰れ!帰って屁こいて寝て二度とくんな!!」

スラロームでは

「バイク倒せ!もっと火花出せ!ドアホ!!」

一本橋で落ちたら

「ニーグリップしらんのかえ!玉がゆるんどるんじゃボケエエ!!!」


「お前らそんな眠たい運転しとったら


ずっと卒検落とし続けたるどオラァアア!!!!」


とまあなかなかの鬼教官ぶりで。

何故か俺の教習日はそのおっさんがよく当たってまして

教習日が雨でも関係なくエンジンぶん回せと叫ぶ。

俺みたいなタイプはむしろこういうオッサンが好きなので

鬼っぷりが好きで楽しんでたんです。

ところが俺みたいなタイプじゃなく

もろ草食系といいますか

「すごく足の遅い年配のシマウマ」

みたいなのもたまに混じるんですね。



一本橋は毎回落ちる、

スラロームはコーンを全部倒す、

クランク脱輪、植え込みへ転倒

こんな感じで毎回毎回バイクをこかしてまして

当たり前のようにハートマンにマイクでムチャクチャ言われる。

「キンタマついとんかえボケエエ!!!!」

「フリチンで乗れ!フリチンでニーグリップ練習せえ!ボケエエ!!」

大袈裟ではなくほんまにこんな感じで。


で、ある日、急制動前の急加速の練習で

一本橋抜けて右折、急加速、急制動。

短い距離で一気に加速して所定の速度になったら点くランプを点灯させて

一気にブレーキかけて停止線前で止まらないといけない。

当時はまだ右折得意っ子ちゃんだった俺は喜んでやってたんですが

年配のシマウマさんはこれがなかなか出来ない。

どうもバンクさせるのが苦手なんですね。

マイクで

「小川は休憩!シマウマ!!出来るまで回れ!!」

おかげで俺はバイク止めて超アリーナでシマウマさんをながめる。

ずっと「ドアホ」「ボケ」「カス」の連発、

「セカンドでコーナーぶち抜くんじゃボケエエ!!」

「行けゴッルァアアアアア!!!!いけええええ!!!」




ガーシャガシャー



シマウマさん大転倒。

マイクからこだます

「帰れボケエエエ!!!!」

の声。


で、時間終わって

バイクを車庫にしまって

ヘルメット脱いだらシマウマさん

ウオーウオーって泣き始めましてね。

もうええ歳のおっさんが初めてあんな風に泣いてるのを見て引いたんですよ。


そしたらハートマンがシマウマさんに神妙な表情で


「じつは昔なあ、

教え子が卒業してすぐ二輪事故で死んだことがあってな

運転上手いやつやったんやけど・・・

もうそんなのは見たくない、だから厳しく教えてる。

ちょっと言い過ぎかもしれないけど、

分かって欲しい」


なんて身の上話しはじめて。

シマウマさんますます泣いて

「ありがとうございますありがとうございます」

なんて言いながら帰って行きましてね。


それを見送りながら

「センセ、そうなんやね。教え子が亡くなったらつら・・・」



「ウソにきまっとるやろがえ」



「・・・。」



これは白い嘘なのか黒い嘘なのか

いまだに分かりません。









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