【過去ネタ】危険物持込み

※過去ネタです
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私は釣りが好きだ。


これは小学校時代から何もかわらない。

暇さえあれば釣りに出かけている。

 

その日、私はいつものように

近所の池に出かけていた。

なけなしの小遣いで買ったロッドとリール、

そして使いすぎてボロボロになった数少ないルアーを持って。

 

地元人しか知らない秘密のポイントへ

ボウボウと背丈以上の草を掻き分けて進んだ。

ポイントへ到着してキャストすること数回。

何匹か釣ったところでルアーチェンジ。

 

お年玉で買った大切なハードルアーの出番である。

 

それを投げた。

 

ところが

 

 

木に引っかかってしまった。

 

 

高校生の私にとって、命レベルで大切なルアー。

 

なんとか回収しなければならない。

ズボンを脱いでパンツ1枚で池に侵入、

ジャブジャブとルアーの位置まで到着、回収して帰ろうとしたとき

 

少し上にダンボール箱が引っかかっているのが見えた。

  

なんやろ・・・

  

考えなくてもいいことを考えてしまった私、

 

もう、どうしても、どうしても、どうしても

 
 

中身が確認したくなった。
 

 

この辺はエロ本を捨てにくる輩も多いので

金欠の高校生にしたら保存状態のよいものなら、

諸手をあげて万歳なのだ。

 

私は全身をイバラで傷だらけにしながら

パンツ一枚で崖をのぼりはじめた。

 
 

幸いこのころはまだバス釣りもブームは来ておらず

バスを釣ってるのは地元人だけであり

その日も釣りをしているのは私だけ。

 

パンツ一枚で崖をのぼる若者は

誰が見ても通報が必要だと思う。

 

 

何度かずり落ちながらも箱に到着、

この状態では確認しかねるので

一旦降りて元の釣り座へ戻る。

まずは服を着る。

 

箱を見つめる自分がドキドキしているのがわかる。

箱を開けると黒いビニール袋に包まれたものが入っていた。

  

人体の一部にしては軽すぎる。

 

どうしようもないドキドキ感に襲われながらも

そおっとビニールをあけてみる。

 

中には

  

大量の女性下着が入っていた。

 
 

うひゃぁ・・・

 
 

個人的に下着というものにあまり興味はなく

むしろ中の具が好きであるので

 

なーんや・・

 

という思いがあったが

 

次の瞬間には

 

 

下の子らが欲しがるよなぁ・・

 

 

と考えた。

 

取り巻きの若い子らは、自分の性癖を包み隠さず言ってくれる。

 

 

「俺パンツ盗んでますねん」

 

 

など平気でしゃべっておる。

 

そいつらにやれば喜ぶだろう。

 

若い子達の喜ぶ顔を思い浮かべると

 

俺ってやさしいよねぇ

 

などと考えながらチャリンコのカゴにダンボールをのっけて家に帰った。

 

 

 

 

幸い誰もいなかったので私は箱ごと部屋に持って入り、

自分の部屋の隅のほうに置いて、

早速みんなが溜まっている顧問の家に向かった。

 

若い子らもまるで自分の家のようにくつろいで

酒を飲んでいたので

 

「おまえらパンツいる?」と聞いた。

 

「女のパンツやったらもらいますよ。」

 

「女のパンツや。」

 

「まじっすか!!」

 

「まじっす」

 

「え、え、洗ってありました?」

 

「??えぇ?そんなん広げて見てへんがな・・・」

 

「誰のんすか!?」

 

「しらんがな・・・箱にいっぱい入ってたのんひろってきたんや」

 

 

 

「いります!!」

 

 

 

「・・・あ・・・あそう・・」

 

よくわからん。

 

なぜにそんなにお前らは興奮するのだ?

 

おまけに洗ってないほうがええんか?

 

そのぱんつをお前らはどう使うのだ?

 

誰がはいてたのかすらわからんがええのか?

 

手付かずの自然みたいな女が履いてたかもしれんがええんか? 

 

いろいろ疑問は湧いたがあえて言わなかった。

 

「じゃあ明日でも持っていったるわ。」

 

「今日帰りに取りにいきますわ!」

 

何を熱くなっているのだ?

 

それから酒を飲みながら

いろいろと話を聞いた。

 

 

うちの学校でかなりの美女であるともみちゃんの

パンツを俺は2枚持っているとか

 

英語教師の岩崎のパンツも持っているとか

 

盗みにいったらオヤジに見つかってつかまりそうになったとか

  

何をどうがんばって聞いても



 

軽犯罪集団であることに間違いない。

 
 

 

だけどこれがこいつらの性癖なのであろう。

あえて否定はしなかったが、どうも奥が深いようだ。

 

「パクられんようにな・・・」

 

とだけ言っておいた。

 

 

そして時間も遅くなったので家に帰ろうと。

 

当然若者達は私についてくる。

 

家に到着、

「すぐ持って出てくるわ」

と伝え、家に入った。

 
 

ところが家に入るなり

 

 

「ちょっと来い!」

 

 

と親父の声。

声の出方から何かあるなと察知。

 

 

台所へ行くと

 

テーブルに並んで座る

 

険しい表情のおやじと

 

ひたすら泣きつづけるオカン。

 

 

「なんやねん」

 

「なんやねんやあるか!!」

 

「えぇ?」

  

オカンはさらに声を出してオイオイ泣きつづける。

  

「お前、世間に顔向けできんようなことを・・・いつからやっとんや!!」

  

「!」

  

「わ・わしは・・情けない!!」

  

おやじ半泣きだ。

 
 

これは俺様大ピンチである。

問題は間違いなくあのダンボール箱、

多分、人生始まって以来の最大のピンチである。

  

「いや、あれはな、釣りにいってて・・」

  

「言い訳はすんな!」

  

ちょっと待て待て、

これはさすがに言い訳しとかないと調子悪いじゃないか。

 

性犯罪者扱いの俺。

 
そしてしつこいくらい何度も説明した。

 
釣りにいってて拾ったのだと。

 

そして下の子がそういうのすきやから一時保管してるだけやと。

で、今そいつらが取りに来て表で待っていると。 


何とか説得して理解してもらえたようで

  

「ほな渡してくるわ」

 

そういって席を立とうとすると

 

「もう焼いた。」

 

と言いやがった。

すでに証拠隠滅。 

 

散々待たせた挙句

表に出て若い子達に説明すると

 

彼らはものすごく残念な顔をして帰っていった。

 

 

いままであれほどあいつらの残念な顔は見たことがない。

 

 

 

教訓

危険物は家に持ち込むな。

 

       劇       終

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