診察を受ける
迷走を続けていた人形が
迷走の果てに100歩譲ってもらって
なんとか可決いただきまして
内緒にしていたお話をお書きいたす。
お仕事でお預かりしている人形で
どうしても腑に落ちないところがあり
チェックに出すとどうも気持ち悪いとご指摘。
俺も言われればそうなんだけど
実際のところ小さいサイズの人形の修正は
ちょっといじるだけで劇的に変化しちゃうこともあり
ビビッてなかなか刃物を入れられなかったんですよ。
1/6とかだと離れて見てとかだと思うんですが
小さいサイズだと逆に拡大して見ないといけないですよね。
写真にとってA4に拡大印刷して
ああここか、ここが気持ち悪いのかとかね。
ところが俺みたいな初心者マークつけて走ってる
下手くそ造形真似事協議会員とかだと
ずっと触ってるとどこがおかしいのか
一体どこに破たんがあるのか
全く見えなくなるわけです。
いやほんまに。
シルエットの時点で気付くべきところを逃すと
後でよくこうなる、っていうか俺の場合
ほとんどそうなるんですがね。
で、1ヶ月間あーでもないこーでもないと
いじくりまわったんだけどうまくいかず。
そうなってくるともうますます混乱の一途をたどってしまい
えーと出口はどこかいなと
もう落としどころすら見えなくなる。
そこでこのままではまずい、
このままでは非常にまずいと
行ってきたんです。
病院に。
精神科っていうんですか、
いや、違う。
整形外科に。
だってもうわからんねんもん。
病院に行ってね、
初診ですかって聞かれて
ハイと。
では問診票に記入をって紙渡されますわ。
今日はどうされましたかとか
アレルギーはありますかとか
妊娠してますかとか
いっぱい書いてあるんですが
一応ですね、
「ご相談があります」
って書いてナースに渡したんです。
ほな
「あ?」
みたいな顔で
「具体的にどういった・・・」
とか聞いて来るんで
お前に言わんでも中でドクターに言うわいボケー
と思いながらも
「あの・・骨格の・・・」
ですわ。
ほななんか
「よーわからんな、気持ち悪いなコイツ」
みたいな顔で中へ入って行きましてね、
俺、年寄りに混じって待合室で待機。
しばらくして呼ばれたんです。
診察室へドゾーゆうてね。
お医者さん、問診票見て俺を見て
「骨格の相談?」
「ええ、そうなんです。」
「どこか気になるの?」
「実はこれなんですが(人形を出して)」
「プッw(医者とナース同時に)」
「いや、すみません、頭がおかしいと思われるかもしれないんですが俺にとっては深刻で」
「ごめんごめんwいや、これ自分で作ったの?」
「ええ、そうなんですが全体の骨格で破たんしてる部分がわからないんです。」
「ちょっと見せて」
もうね、絶対頭おかしいと思われてるんです。
けどもうここが最後の砦なんですよ。
しょうがない、もうしょうがない。
でまあ見てもらったんですが、
結論としては脊髄と頸椎の接続がズレてる、
頭頂部の位置が異常、
年齢に対して少し発育が遅れ気味
とか色々教えてもらって
俺はそれを持参のノートに必死で書く。
それ見てナースがまたワロてますわ。
しかしまあ散々聞いて色々納得。
診察料800円。
安すぎるぜ。